○新ひだか町議会基本条例

令和元年12月13日

条例第19号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 議会の活動原則(第4条―第10条)

第3章 議員の活動原則(第11条―第16条)

第4章 町民と議会の関係(第17条―第19条)

第5章 議会と町長等の関係(第20条・第21条)

第6章 議会機能の強化と議会改革(第22条―第25条)

第7章 議会の体制整備(第26条―第28条)

第8章 補足(第29条・第30条)

附則

日本国憲法は「地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する」として、自治体議会の設置を明確にしています。

近年、町政課題が複雑高度化する中で地方分権の推進は地方公共団体による自己決定と自己責任を拡大させ、その一方で議会は地方公共団体の意思決定機関として、執行機関に対する監視及び評価、さらには政策の立案及び提言等、その責任と果たすべき役割はますます重要になっています。

本町の最高規範である新ひだか町まちづくり自治基本条例(平成25年条例第1号)に定める議会及び議員の責務に基づき、議会がその機能を最大限に発揮していくためには、これまで以上に政策形成過程への町民の広範な参加を促すとともに、町民の負託に的確に応える議会の在り方を常に追求し、自らの改革と機能強化に継続的に取り組んでいくことが必要です。

よって、新ひだか町議会は、議会の公正性と透明性を確保するとともに「町民に信頼され、町民が参加できる開かれた議会」を目指し、地方自治の本旨である町の発展及び町民福祉の向上に寄与するため、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、二元代表制における新ひだか町議会(以下「議会」という。)及び新ひだか町議会議員(以下「議員」という。)の役割等を明らかにするとともに、議会に関する基本的事項を定めることにより、新ひだか町の持続的な発展と町民福祉の向上に寄与することを目的とします。

(議会の役割)

第2条 議会は、次に掲げる役割を担います。

(1) 議案、請願及び陳情等の審議、審査等並びにこれらの議決を行うこと。

(2) 町長その他の執行機関(以下「町長等」という。)の事務の執行について、監視及び評価を行うこと。

(3) 町政の課題等について、調査研究を行い、政策の立案及び提言を行うこと。

(4) 国会、北海道議会又は関係行政庁に意見書を提出するほか、決議により議会の意思を表明すること。

(最高規範性)

第3条 この条例は、議会における最高規範であり、議会に関する他の条例、規則等を制定し、又は改廃する場合においては、この条例に定める事項との整合を図ります。

第2章 議会の活動原則

(議会の活動原則)

第4条 議会は、第2条に規定する役割を果たすため、次に掲げる原則に基づき活動します。

(1) 二元代表制の下、本町の意思決定を担う議事機関としての責任を自覚し、その機能を最大限に発揮すること。

(2) 多様な町民意見を十分に把握し、町民の代表として公正かつ公平な議論、審議、審査等を行い、意思決定を行うこと。

(3) 町民が参加しやすい開かれた議会運営を行うとともに、議会活動について、町民への説明責任を果たし積極的に情報公開を進めること。

(4) 町民の負託に的確に応える議会の在り方を常に追求し、議会の改革に継続的に取り組むこと。

(本会議)

第5条 定例会及び臨時会(以下「本会議」という。)は、議員全員で構成し、議会の最終的な意思決定を行います。

(委員会の活動)

第6条 議会は、社会、経済情勢等により新たに生じる行政課題に適切かつ迅速に対応するため、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)の適切な運営により機動力を高めるよう努めます。

2 委員会の委員長は、自由討議による合意形成に努め、委員長報告を作成し、報告に当たっては、論点及び争点を明確にするよう努めます。

3 前2項のほか、委員会に関する事項については、別に条例で定めます。

(災害時の議会の対応)

第7条 議会は、町民の生命又は生活に直接影響を及ぼす災害等が発生した場合は、町民及び地域の状況を的確に把握するとともに、議会としての業務を継続し、災害からの速やかな復興に向け積極的な役割を果たすよう取り組みます。

(議長及び副議長の役割)

第8条 議長は、その職務として、議場の秩序を保持し、議事を整理し、議会事務をつかさどり、及び議会の代表者として中立かつ公平な立場において職務を行い、民主的な議会運営を行います。

2 前項の規定は、副議長が議長の職務を行う場合について準用します。

(議長及び副議長志願者の所信表明)

第9条 議会は、議長及び副議長の選出に当たり、議会活動の方向性を明確にし、議会の透明性をより一層高め、議会の責務を強く認識するため、それぞれの職を志願する者に所信を表明する機会を設けます。

(自由討議による合意形成)

第10条 議会は、議員による討論の場であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互間の自由討議を中心に運営します。

2 議会は、本会議及び委員会において、議員提出議案、町長提出議案並びに請願及び陳情等を審議し結論を出す場合には、議員相互の自由討議により議論を尽くして合意形成に努めるとともに、町民に対する説明責任を十分に果たすよう努めます。

3 議員は、前2項による議員相互間の自由討議を拡大し、政策、条例、意見等の議案の提出を積極的に行うよう努めます。

第3章 議員の活動原則

(議員の活動原則)

第11条 議員は、町民の代表として選挙により選ばれた公職にある者として、次に掲げる原則に基づき活動します。

(1) 多様な町民意見と町政の課題を的確に把握し、町政全体を見据えた広い視点及び長期的展望を持って、公正かつ誠実に職務を遂行すること。

(2) 自らの議会活動及び議会における意思決定等の過程等について、町民にわかりやすく説明すること。

(3) 政策の立案及び提言に係る能力の向上を図るため、常に研さんに努めること。

(4) 議会が言論の府であることを踏まえ、議員相互間の討議を活発に行うこと。

(議員の政治倫理)

第12条 議員は、町民の負託に応えるため、新ひだか町議会議員政治倫理規程(平成25年議会訓令第1号)に基づき、議員としての品位を保持するとともに、政治倫理の向上に努め、公正及び誠実を旨として職責を全うします。

(災害発生時の議員の対応)

第13条 議員は、町民の生命又は生活に直接影響を及ぼす災害等が発生した場合は、町民及び地域の状況を的確に把握するとともに、別に定める災害時対応マニュアルに基づき適切な対応に努めます。

(会派)

第14条 議員は、政策の決定及び形成に資するため、政策を中心とした同一の理念を共有する2名以上の議員で構成する会派を結成することができます。

2 会派は、その会派に属する議員の活動を支援するとともに、政策の立案、提言等を主体的に実施するよう努めます。

(議員定数)

第15条 議員定数については、町長等の事務の執行に対する監視及び評価並びに政策の立案及び提言等の議会機能の確保を考慮するとともに、多様な町民意見を町政に反映させるための適切な人数を確保するという視点等を踏まえ、別に条例で定めます。

(議員報酬等)

第16条 議員の報酬及び費用弁償並びに期末手当については、町政課題等の複雑高度化に対し、町長等の事務の執行に対する監視及び評価並びに政策の立案及び提言等の議会機能を十分に発揮することができるよう、多様な分野に幅広い知識と経験を有する人材が議員として活動できるための環境整備の観点を踏まえ、別に条例で定めます。

第4章 町民と議会の関係

(町民参加及び町民との連携)

第17条 議会は、町民の意見を議会活動に反映することができるよう、次に掲げる方法その他の方法により、町民の議会活動への参加を推進します。

(1) 本会議及び委員会の運営に当たり、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用し、町民の意向及び学識経験者等の専門的又は政策的識見を議会の意思決定に反映させること。

(2) 請願及び陳情が提出されたときは、町民の政策提案と位置付け、審査においては、提案者の意見を聴く機会を確保すること。

(3) 議会報告会を年1回以上開催し、広く町民に議会の活動を報告するとともに、町民の意見を聴取して議会活動に反映すること。

(4) 議会の基礎的な資料及び情報並びに議会の評価等を毎年調整し、議会白書として町民に公表すること。

(5) 議案に対する各議員の賛否、論点及び争点を議会広報等で公表する等、議員の活動に対して町民の評価が的確になされるよう情報提供すること。

(議会広報の充実)

第18条 議会は、町民に開かれた議会の実現のため、町政に係る論点及び争点の情報を町民に周知するよう努めます。

2 議会は、情報通信技術の発展を踏まえた多様な広報手段を多く活用し、多くの町民が行政に関心を持つよう、議会広報活動に努めます。

(本会議及び委員会の公開)

第19条 議会は、本会議、委員会及び全員協議会(以下「本会議等」という。)を原則公開とし、必要な資料を町民に配布するとともに町民が傍聴しやすい環境の一層の充実に努めます。

2 議会は、本会議等の日程及び内容を事前に町民に周知するとともに、本会議等の会議録を公開し、意思決定に係る過程と結果を明らかにします。

第5章 議会と町長等の関係

(町長等との関係)

第20条 議会は、二元代表制の下、町長等と独立対等な立場で緊張ある関係を保持し、町長等の事務の執行に対する監視及び評価を行うとともに、政策の立案及び提案を通じて、町の発展及び町民福祉の向上のために活動します。

2 議長から本会議等への出席を要請された町長等は、議員の質疑及び質問に対し、議長又は委員長の許可を得て、論点及び争点を明確にするための反問をすることができます。

3 議員は、二元代表制民主主義の充実と町民自治の観点から、法定以外の執行機関の諮問機関、審議会等の委員に就任しません。

(議会への政策形成過程の説明)

第21条 町長等は、政策、計画、施策又は事業(以下「政策等」という。)を提案するときは、政策等の水準を高めるため、次に掲げる政策形成過程の資料等を作成し議会への適時適切な説明を行うよう努めます。

(1) 政策等の発生源

(2) 検討した他の政策案等の内容

(3) 他の自治体の類似する政策等との比較検討

(4) 総合計画における根拠及び位置付け

(5) 関係ある法令及び条例等

(6) 政策等の実施にかかわる財源措置

(7) 将来にわたる政策等のコスト計算

第6章 議会機能の強化と議会改革

(議会の機能強化及び議会改革)

第22条 議会は、町長等の事務の執行に対する監視及び評価並びに政策の立案及び提言等の議会機能を強化するとともに、自らの改革に継続的に取り組みます。

(議決事項の拡大)

第23条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第2項の規定に基づく議決事項について、町民の負託に応える町政運営を実現できるよう、別に条例で定めます。

(専門的知見の活用)

第24条 議会は、本会議等における審議の充実、政策の立案及び提言機能の強化並びに政策の効果の評価に資するため、地方自治法第100条の2の規定に基づく専門的事項に係る調査を積極的に活用するよう努めます。

2 議会は、必要に応じて専門的知見を有する者で構成する調査機関を設置することができます。

3 前2項の調査機関に関し必要な事項は、議長が別に定めます。

(検討組織の設置)

第25条 議長は、議会の機能強化及び改革に継続的に取り組むため、議員で構成する検討組織を設置することができます。

第7章 議会の体制整備

(議員研修の充実)

第26条 議会は、議員の政策形成及び立案能力等の向上を図るため、議員研修の充実強化に努めます。

(議会図書室の充実)

第27条 議会は、議員の調査研究等に資するため、議会図書室を設置するとともに、充実強化し、一般の利用にも配慮します。

(議会事務局)

第28条 議会は、自らの政策の立案及び提言機能を強化し、議会活動を円滑かつ効果的に行うため、議会事務局の機能及び組織体制の強化を図ります。

第8章 補足

(検証及び見直し手続)

第29条 議会は、毎年度、この条例の目的が達成されているかどうかを検証し、その結果を公表します。

2 議会は、必要があると認めるときは、この条例の見直しを行います。

(委任)

第30条 この条例の施行に関し必要な事項は、議長が別に定めます。

附 則

1 この条例は、公布の日から施行します。

(新ひだか町議会委員会条例の一部改正)

2 新ひだか町議会委員会条例(平成18年条例第213号)の一部を次のように改正します。

〔次のよう〕略

新ひだか町議会基本条例

令和元年12月13日 条例第19号

(令和元年12月13日施行)

体系情報
第2編 議会・監査・選挙/第1章
沿革情報
令和元年12月13日 条例第19号