○新ひだか町まちづくり自治基本条例

平成25年1月7日

条例第1号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 まちづくりの基本原則(第4条)

第3章 コミュニティ(第5条)

第4章 情報の共有(第6条―第9条)

第5章 町民等(第10条・第11条)

第6章 議会(第12条・第13条)

第7章 行政(第14条―第26条)

第8章 安全、安心(第27条)

第9章 連携、協力等(第28条・第29条)

第10章 条例の評価及び見直し(第30条)

附則

わたしたちは、このまちに住み、このまちで働き、このまちで学ぶ全ての人々が、自らをまちづくりの主役として考え、行動し、心豊かに暮らすことのできるまちの実現をめざします。

わたしたちのまち新ひだか町は、太平洋を望み壮大な日高山脈に抱かれ、その豊かで美しい自然と町民のたゆまぬ努力によって培われた英知によって今日まで着実な発展を遂げてきました。

わたしたちには、先人が築き上げたこのまちの歴史や伝統、文化、産業を継承し、さらに輝きのある「ふる里 新ひだか」を次の世代へと引き継いでいく義務があります。

そのためには、自治の主役である町民、議会、行政がそれぞれの責任と役割を自覚し、互いを尊重し、協力し合いながらまちづくりを進めていかなければなりません。

わたしたちは、ここに新ひだか町のまちづくりの基本的な制度と運営の原則を明らかにするため、まちづくりの最も尊重すべき規範として、新ひだか町まちづくり自治基本条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、新ひだか町民憲章の精神のもと、まちづくりに関する基本的な事項を定めるとともに、町民の権利や責務並びに議会及び行政の責務を明らかにすることにより、それぞれが自らの役割を果たしながら、町民を主役とした協働のまちづくりを進めることを目的とします。

(定義)

第2条 この条例において使用する用語の意義は、次のとおりとします。

(1) 町民 町内に住民票を有する人をいいます。

(2) 町民等 町民及び町内に住んでいる人、町内で働く人、町内で学ぶ人、町内で事業活動を営む人その他新ひだか町のまちづくりに関わる全ての人をいいます。

(3) 行政 町長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び水道企業管理者をいいます。

(4) 協働 自らの役割と責務を認識しながら、互いの立場を尊重し、協力して取り組むことをいいます。

(5) コミュニティ 自治会、学校区、サークル活動その他の地域社会における様々な単位の中で活動する人の集まりをいいます。

(6) 参画 参加するだけにとどまらず、まちづくりの施策に関する計画、実施、評価等の意思形成過程から主体的に関わり、行動することをいいます。

(最高規範性)

第3条 この条例は、町が定める最も尊重すべき規範であり、まちづくりの全てにおいて趣旨を生かさなければなりません。

第2章 まちづくりの基本原則

(基本原則)

第4条 まちづくりは、次の基本原則に基づいて進めます。

(1) まちづくりの主役は、町民であること。

(2) 町民等、議会及び行政の協働により進めること。

(3) 町民等、議会及び行政は、一人ひとりの人権を尊重すること。

(4) 創造性に溢れた特徴のある地域づくりをめざすこと。

(5) 日高地方における中核的な役割を果たせるように努め、圏域全体の振興発展をめざすこと。

第3章 コミュニティ

(コミュニティ)

第5条 コミュニティは、地域社会の担い手として主体的にまちづくりに参加するよう努めます。

2 町民等、議会及び行政は、様々なコミュニティを互いに支え、その活動を尊重します。

第4章 情報の共有

(情報共有)

第6条 町民、議会及び行政は、互いに必要な意見交換や情報提供を行い、共通認識のもとにまちづくりが進められるよう、情報共有に努めます。

(情報提供)

第7条 議会及び行政は、まちづくりに関する情報を積極的かつ解りやすく町民に提供します。

(情報公開)

第8条 議会及び行政は、まちづくりに関する透明性を確保するため、町民等からの求めに応じ、その保有する公文書の公開に努めます。

(個人情報保護)

第9条 議会及び行政は、情報提供及び情報公開にあたっては、個人の権利利益が侵害されることのないよう、個人に関する情報を適正に管理します。

第5章 町民等

(町民等の権利)

第10条 町民等は、まちづくりに参加し、又は参画することができます。

2 町民等は、地域において自主的にコミュニティ活動や公益活動等を行うことができます。

3 町民等は、まちづくりに関して必要な情報を知ることができます。ただし、法律や他の条例などにより公開することができないこととされている情報については、除きます。

(町民の責務)

第11条 町民は、自らが町の主役であることを認識し、様々な機会を通じて、積極的にまちづくりに参加し、又は参画するよう努めます。

2 町民は、互いを尊重し、協力してまちづくりを進めます。

3 町民は、公共の利益を念頭に置き、まちづくりに関する自らの発言と行動に責任を持ちます。

第6章 議会

(議会の責務)

第12条 議会は、町の意思決定機関であることを認識し、公平、公正かつ誠実に審議を行うとともに、行政運営が適切に行われるよう、これを監視し、又は評価します。

2 議会は、まちづくりの主役が町民であることを念頭に置き、議会活動の状況等を積極的に町民に知らせるとともに、町民からの意見、要望等の把握に努めます。

3 議会は、地域課題の解決等のため、積極的な調査研究活動を行い、政策形成機能の充実を図ります。

(議員の責務)

第13条 議員は、自らが町民の代表であることの自覚を持ち、公平、公正かつ誠実に職務を遂行します。

2 議員は、自らの考えを町民に明らかにするとともに、町民からの意見、要望等の把握に努めます。

3 議員は、自己研鑽に努め、広い視野と長期的な展望をもって職務を遂行します。

第7章 行政

(町長の責務)

第14条 町長は、町の代表としての自覚を持ち、公平、公正かつ誠実に職務を遂行します。

2 町長は、町の将来について明確な展望や方針を持ち、これを町民に明らかにするとともに、自らのリーダーシップを最大限に発揮して、まちづくりに取り組みます。

3 町長は、町民からの意見、要望等の把握に努めるとともに、これを適正に判断してまちづくりを進めます。

4 町長は、職員を指揮監督し、まちづくりを着実に進めるとともに、将来にわたって安定的に行政運営が図られるよう、職員の能力向上に努めます。

(就任時の宣誓)

第15条 町長は、就任にあたり、この条例を遵守してまちづくりを進めることを誓います。

2 前項の規定による宣誓は、原則として就任後最初の議会において行うこととし、宣誓の方法その他の具体的事項については、町長が別に定めます。

(職員の責務)

第16条 職員は、公平、公正かつ誠実に職務を遂行するとともに、町民の目線で物事を考え、質の高い行政サービスの提供に努めます。

2 職員は、自らも地域社会の一員として積極的にまちづくりに参加し、協働によるまちづくりの実践に努めます。

3 職員は、行政の専門職として、職務の遂行に必要な知識の習得及び自己研鑽に努めます。

(町民投票)

第17条 町長は、まちづくりに極めて重大な影響を及ぼす事項について、直接、町民の意思を確認する必要があると判断したときは、条例で定めるところにより町民投票を行うことができます。

2 議会及び行政は、町民投票の結果を尊重します。

(行政運営の基本方針)

第18条 行政は、町民及び議会との十分な情報共有と合意形成を図りながら、公正かつ円滑にまちづくりを進めます。

2 行政は、計画、実施、評価等のしくみを相互に連携させながら、効率的かつ効果的にまちづくりを進めるとともに、常に改善の意識を持ち、必要な行財政改革に取り組みます。

(総合計画等)

第19条 行政は、総合計画をはじめとする各種計画に基づき、総合的かつ計画的に各種施策を進めるとともに、当該計画の作成にあたっては、町民からの意見等が反映されるよう、意見聴取等に努めます。

(財政運営)

第20条 行政は、中期的又は長期的な財政見通しのもと、総合計画等及び行政評価を踏まえた予算編成を行うとともに、財政計画等を策定し、計画的で健全な財政運営に努めます。

(行政評価)

第21条 行政は、各種施策の推進にあたっては、社会情勢や町民ニーズの変化、費用対効果等の視点をもって、事前又は事後の行政評価を行い、その目的、成果等を点検しながら、効率的かつ効果的に進めます。

(町民の参画)

第22条 行政は、まちづくりの重要施策に係る計画、実施及び評価にあたっては、町民が自発的にこれらに参画することができるよう、必要な仕組みづくりに努めます。

2 行政は、町民がまちづくりに参画しやすい環境づくりに努めます。

(説明責任)

第23条 行政は、各種施策の実施にあたっては、その内容、効果、必要性、妥当性等を整理し、町民及び議会に対し、説明責任を果たします。

(行政手続)

第24条 行政は、町民の権利及び利益の保護を図るため、処分、行政指導、届出等の行政手続に関する統一的な基準を定め、公正の確保と透明性の向上を図ります。

(組織及び人事)

第25条 行政は、社会情勢の変化や様々な地域課題に柔軟かつ迅速に対応することができるよう、効果的な組織体制を確立します。

2 行政は、職員研修や人事異動等を計画的に行い、職員に様々な経験等をさせることにより、職務に必要な能力の向上に努めます。

(広報及び広聴)

第26条 行政は、町広報やホームページ等を活用し、まちづくりに関する情報を積極的かつ解りやすく町民に伝えます。

2 行政は、町民からの意見聴取や意見交換の機会を積極的に設け、町民からの意見、要望等の把握に努めます。

第8章 安全、安心

(安全及び安心の対策)

第27条 町民及び行政は、町民等が安全で、安心して生活を送ることができるよう、日頃から地域における支援力(緊急時等において、町民同士が互いに助け合うことができる環境や知恵をいう。)及び受援力(ボランティア等の支援を受け入れる環境や知恵をいう。)の向上に努めます。

2 町民等は、自らの生命や財産を守るため、災害等の発生に備えるとともに、日頃から防災に対する意識を高め、地域における協力体制の構築に努めます。

3 コミュニティは、行政と協力連携し、地域の安全と安心を守るため、それぞれの分野において必要な役割を果たすよう努めます。

4 行政は、災害等の発生に備え、危機管理体制を構築するとともに、町民等やコミュニティによる自主的な活動を支援し、あらゆる危険から生命と財産を守ることができるよう、万全の対策を講じます。

第9章 連携、協力等

(連携及び協力)

第28条 行政は、適切な役割分担のもと、国や北海道と対等な立場で相互の連携及び協力を推進します。

2 行政は、広域的な課題解決や地域の相互発展のため、近隣自治体と積極的に連携又は協力しながら、効果的なまちづくりを進めるとともに、圏域における調和及び協調に努めます。

3 行政は、他の自治体が災害その他の事情により危機的な状態に陥った場合には、可能な限りの支援及び協力を行います。

(交流)

第29条 町民、議会及び行政は、姉妹都市をはじめ、国内外に住む様々な人々とのつながりを大切にし、経済、教育、文化、スポーツその他あらゆる分野における活動や交流を通じて、その知恵や考えを学び、これをまちづくりに活かしていきます。

第10章 条例の評価及び見直し

(条例の評価及び見直し)

第30条 町長は、この条例に定められた事柄が、社会情勢や町民ニーズに適合しているかどうかを定期的に評価し、見直しを行うため、自治基本条例評価委員会を設置します。

2 町長は、この条例の評価に町民からの意見、要望等が反映されるよう、必要な措置を講じます。

附 則

この条例は、公布の日から施行します。

新ひだか町まちづくり自治基本条例

平成25年1月7日 条例第1号

(平成25年1月7日施行)

体系情報
第1編 規/第1章
沿革情報
平成25年1月7日 条例第1号